青木繁展 ― 2011年07月02日 22時10分
京都国立近代美術館へ「青木繁展」を観に行く。
大好きな青木の絵だらけで、もう大感激!!
石橋美術館やブリジストン美術館、大原美術館などで観た作品以外にも、こんなに多くの作品が残っていたのかと驚いた。それは青木の死後、作品が散逸しないように友人たちが奔走したお陰だと、この展覧会で知る。
デッサンやスケッチ、書簡などが多数あり、青木の人となりがよく伝わってきた。
漫画風のイラストもあり、普通の画学生の一面が垣間見えて、親近感が沸く。
印象に残ったのは、布良(めら)の海を描いた数点の油絵。
岩や波を色彩豊かな点描で描いており、砕け散る波の音が聞こえてくるよう。
そして、今描き上げたばかりのような鮮やかさ。潮風に吹かれているような清々しさを感じる。
念願の「日本武尊」も観ることが出来た。
昔、教科書で目にしたことがあり、のちに青木の作品と知って生で観たかったのだ。
目の大きな日本武尊の顔は、青木自身をモデルにしたとか。
「洋画界のアレキサンダー大王になる」と豪語していた思いが込められているのかもしれない。
絶筆となった「朝日」は、なんと神々しいのだろう!
朝焼けに照らされて虹色に輝き、穏やかに凪いだ海。
観ていると心が洗われるような、それでいて切なくなるような作品。
命の灯が消えようとしていた28歳の青木は、どんな思いで描いたのだろうか。
もっと生きたい! この朝日のように何度でも再生出来たら。もっともっと絵を描きたい!
そんな叫び声が聞こえてくるようで、思わず心の中で合掌した。
青木が姉に宛てて書いた遺書(手紙)には、「痰壺(?)に鮮血を三杯吐いた」、「骨灰はケシケシ山の松樹の根に埋めて下さい」などと書かれてあり、胸が詰まる。
青木は死して、「洋画界のアレキサンダー大王」となった。
時代が彼にもう少し早く追いついていたらと思うと、残念でならない。
初めて知った事実も多く、収穫の多い展覧会だった。
もう一度、青木の旧居を訪ねてみたくなった。
大満足の一日を過ごせたことに、感謝!
大好きな青木の絵だらけで、もう大感激!!
石橋美術館やブリジストン美術館、大原美術館などで観た作品以外にも、こんなに多くの作品が残っていたのかと驚いた。それは青木の死後、作品が散逸しないように友人たちが奔走したお陰だと、この展覧会で知る。
デッサンやスケッチ、書簡などが多数あり、青木の人となりがよく伝わってきた。
漫画風のイラストもあり、普通の画学生の一面が垣間見えて、親近感が沸く。
印象に残ったのは、布良(めら)の海を描いた数点の油絵。
岩や波を色彩豊かな点描で描いており、砕け散る波の音が聞こえてくるよう。
そして、今描き上げたばかりのような鮮やかさ。潮風に吹かれているような清々しさを感じる。
念願の「日本武尊」も観ることが出来た。
昔、教科書で目にしたことがあり、のちに青木の作品と知って生で観たかったのだ。
目の大きな日本武尊の顔は、青木自身をモデルにしたとか。
「洋画界のアレキサンダー大王になる」と豪語していた思いが込められているのかもしれない。
絶筆となった「朝日」は、なんと神々しいのだろう!
朝焼けに照らされて虹色に輝き、穏やかに凪いだ海。
観ていると心が洗われるような、それでいて切なくなるような作品。
命の灯が消えようとしていた28歳の青木は、どんな思いで描いたのだろうか。
もっと生きたい! この朝日のように何度でも再生出来たら。もっともっと絵を描きたい!
そんな叫び声が聞こえてくるようで、思わず心の中で合掌した。
青木が姉に宛てて書いた遺書(手紙)には、「痰壺(?)に鮮血を三杯吐いた」、「骨灰はケシケシ山の松樹の根に埋めて下さい」などと書かれてあり、胸が詰まる。
青木は死して、「洋画界のアレキサンダー大王」となった。
時代が彼にもう少し早く追いついていたらと思うと、残念でならない。
初めて知った事実も多く、収穫の多い展覧会だった。
もう一度、青木の旧居を訪ねてみたくなった。
大満足の一日を過ごせたことに、感謝!
歌川国芳展 ― 2011年05月28日 22時49分

大阪市立美術館へ「歌川国芳展」を観に行く。
雨だというのに、大盛況!! 人だかりの中、約420点もの作品を4時間も見入ってしまった。
脚が棒になるとは、まさにこのこと。休憩用の椅子には、真っ白な灰になった大勢の観客が座り込んでいました(笑)。
しかし大好きな国芳尽くしで、もうお腹いっぱい堪能!! 大満足の一日となった。
国芳の絵は、今見ても新しさがあり、ユーモアやデザイン性、アイディアに富んでいる。
圧倒的な画力と、人を楽しませようというサービス精神が、画面から溢れている。
当時の江戸っ子たちが、国芳の粋な絵を観て大いに沸いた姿が、目に浮かぶようである。
だからこそ、こんなに多くの作品が残っているのだろう。
素晴らしい芸術は、時空を超えて愛されるのだなと改めて感じた。
雨だというのに、大盛況!! 人だかりの中、約420点もの作品を4時間も見入ってしまった。
脚が棒になるとは、まさにこのこと。休憩用の椅子には、真っ白な灰になった大勢の観客が座り込んでいました(笑)。
しかし大好きな国芳尽くしで、もうお腹いっぱい堪能!! 大満足の一日となった。
国芳の絵は、今見ても新しさがあり、ユーモアやデザイン性、アイディアに富んでいる。
圧倒的な画力と、人を楽しませようというサービス精神が、画面から溢れている。
当時の江戸っ子たちが、国芳の粋な絵を観て大いに沸いた姿が、目に浮かぶようである。
だからこそ、こんなに多くの作品が残っているのだろう。
素晴らしい芸術は、時空を超えて愛されるのだなと改めて感じた。
手塚治虫展 ― 2011年04月28日 22時03分
広島市へ出張した際、「手塚治虫展」が福屋八丁堀本店で今日から開催されていることを偶然知り、会社帰りに立ち寄ってみる。
2週間前から風邪をこじらせていたのですが、2時間半も夢中で見入ってしまいました(^▽^;)
手塚先生の生い立ちから晩年に到るまでの資料や漫画などを展示。
中でも印象に残ったのは、手塚先生の自伝的漫画「紙の砦」の直筆原稿。
漫画家を志しながら、軍需工場に勤務動員されている大寒鉄郎(おおさむてつろう)の物語。
戦争によって狂わされてしまう人の心や人生、生き抜こうとする人の強さ、生きていることの素晴らしさが心に響いてくる。
終戦の日、街灯が灯っているのを見て、もう灯火管制はなくなった、本当に戦争は終わったんだ、僕は生き残ったんだ、これからは自由に漫画が描けると飛び上がる主人公の姿に、胸が熱くなった。
何といっても大好きな「ブラック・ジャック」(以降『B・J』)の直筆原稿には釘付け。
カラーイラストは、秋田書店チャンピオンコミックスの第3巻表紙と第12巻表紙を展示。
B・Jの黒がきりりと引き締まり、美しい色彩です。臓器の描写も生々しい。
本文の原稿は、以下3作品を展示。
「ピノコ還る」から、ピノコがB・Jに小遣いをねだるシーン。ピノコに「百万円くらい」と言われて、ひっくり返るB・Jが最高です(笑)。
「木の芽」から、最終ページ。1コマ目は、当初ヒョウタンツギが病気の説明をしていたのを、上から薄紙を貼ってB・Jの顔に描きかえられていました。手塚先生のこだわりがうかがえます。
「友よいずこ」から、B・Jが親友のタカシから皮膚移植を受けるシーン(赤で彩色)。
どの原稿にも言えることですが、勢いのある力強いペンタッチが美しく、見惚れてしまった。
こんなに素晴らしいのに、「私は自分の絵にコンプレックスがあるんですよ」と仰っている肉声が流れていたのには驚きました。
手塚先生のB・Jに込めた思いも紹介されていました。
「医者とはいったい人の何の役に立つのかという悩みから、B・Jは医師免許を取らないんです。医者の役目は、人の寿命を延ばすことではなく、残された時間、限りある命を患者にどう有効に使ってもらうかという所にあるんです」
これを読んで、毎日を大切に生きなければと反省(-_-;)
手塚先生が14歳の頃に描いた「昆虫手帳」には驚く。
手帳に蝶の絵が黒インクで細かく丁寧に描かれ、その横には特徴が書き記されており、まるで昆虫図鑑のよう。とても14歳の少年の絵とは思えません。
当時は昆虫博士になりたかったと仰っているだけあって、その熱心さが伝わってきます。
また、医学生時代のノートも展示されており、細い行間にびっしりと独語(?)と日本語が丁寧に書き込まれていた。
漫画家をしながらも、勉学を決しておろそかにしなかった手塚先生の姿が目に浮かびます。
他にも、手塚先生の幼少時代の貴重な8ミリビデオも公開。
直筆原稿は、「火の鳥」「ブッダ」「アドルフに告ぐ」「陽だまりの樹」「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「ルードウィヒ・B」等々、多数展示。
アニメのセル画や制作過程なども詳細に展示されていました。
手塚先生が、漫画やアニメに命を懸けて取り組んでいらっしゃった姿勢が、ひしひしと伝わってきます。
本当に時間を忘れて楽しめる展覧会で、偶然見られた幸運に感謝です。
余談ですが、帰宅して早速『B・J』を読み返す(笑)。
また、展覧会で初めて読んだ「紙の砦」を全部読んでみたくなり、ネットで注文しました。
写真は、グッズ売り場で購入した「ブラック・ジャック名台詞集トイレットペーパー」(限定)、200円也(笑)。
「医者はなんのためにあるんだ」、「それでも私は人をなおすんだっ 自分が生きるために!!」等、B・Jのしびれる台詞の数々と名シーンが印刷されています。
見た途端、思わず笑いがこみあげ、こらえるのに必死でした(^▽^;)
買おうかどうしようか迷っていると、これを見た何人かの方が私と同じような表情になり、皆さん2個ずつ掴んでレジへ直行。 そうか! 1個は使用して、もう1個は記念にとっておくのかな?
誰もが童心に返った顔をしていたので、私も自分の気持ちに素直になろうと購入。
トイレの滞在時間が長くなりそうです(笑)。
でも、大好きなB・J先生の御真影が印刷されているから、「踏み絵」のような気分になりそうで使えないかも(^^ゞ
この展覧会は、5月10日まで開催。
映画「ブッダ」公開記念ということで、「ブッダ」の試し読み本がもらえます。
2週間前から風邪をこじらせていたのですが、2時間半も夢中で見入ってしまいました(^▽^;)
手塚先生の生い立ちから晩年に到るまでの資料や漫画などを展示。
中でも印象に残ったのは、手塚先生の自伝的漫画「紙の砦」の直筆原稿。
漫画家を志しながら、軍需工場に勤務動員されている大寒鉄郎(おおさむてつろう)の物語。
戦争によって狂わされてしまう人の心や人生、生き抜こうとする人の強さ、生きていることの素晴らしさが心に響いてくる。
終戦の日、街灯が灯っているのを見て、もう灯火管制はなくなった、本当に戦争は終わったんだ、僕は生き残ったんだ、これからは自由に漫画が描けると飛び上がる主人公の姿に、胸が熱くなった。
何といっても大好きな「ブラック・ジャック」(以降『B・J』)の直筆原稿には釘付け。
カラーイラストは、秋田書店チャンピオンコミックスの第3巻表紙と第12巻表紙を展示。
B・Jの黒がきりりと引き締まり、美しい色彩です。臓器の描写も生々しい。
本文の原稿は、以下3作品を展示。
「ピノコ還る」から、ピノコがB・Jに小遣いをねだるシーン。ピノコに「百万円くらい」と言われて、ひっくり返るB・Jが最高です(笑)。
「木の芽」から、最終ページ。1コマ目は、当初ヒョウタンツギが病気の説明をしていたのを、上から薄紙を貼ってB・Jの顔に描きかえられていました。手塚先生のこだわりがうかがえます。
「友よいずこ」から、B・Jが親友のタカシから皮膚移植を受けるシーン(赤で彩色)。
どの原稿にも言えることですが、勢いのある力強いペンタッチが美しく、見惚れてしまった。
こんなに素晴らしいのに、「私は自分の絵にコンプレックスがあるんですよ」と仰っている肉声が流れていたのには驚きました。
手塚先生のB・Jに込めた思いも紹介されていました。
「医者とはいったい人の何の役に立つのかという悩みから、B・Jは医師免許を取らないんです。医者の役目は、人の寿命を延ばすことではなく、残された時間、限りある命を患者にどう有効に使ってもらうかという所にあるんです」
これを読んで、毎日を大切に生きなければと反省(-_-;)
手塚先生が14歳の頃に描いた「昆虫手帳」には驚く。
手帳に蝶の絵が黒インクで細かく丁寧に描かれ、その横には特徴が書き記されており、まるで昆虫図鑑のよう。とても14歳の少年の絵とは思えません。
当時は昆虫博士になりたかったと仰っているだけあって、その熱心さが伝わってきます。
また、医学生時代のノートも展示されており、細い行間にびっしりと独語(?)と日本語が丁寧に書き込まれていた。
漫画家をしながらも、勉学を決しておろそかにしなかった手塚先生の姿が目に浮かびます。
他にも、手塚先生の幼少時代の貴重な8ミリビデオも公開。
直筆原稿は、「火の鳥」「ブッダ」「アドルフに告ぐ」「陽だまりの樹」「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「ルードウィヒ・B」等々、多数展示。
アニメのセル画や制作過程なども詳細に展示されていました。
手塚先生が、漫画やアニメに命を懸けて取り組んでいらっしゃった姿勢が、ひしひしと伝わってきます。
本当に時間を忘れて楽しめる展覧会で、偶然見られた幸運に感謝です。
余談ですが、帰宅して早速『B・J』を読み返す(笑)。
また、展覧会で初めて読んだ「紙の砦」を全部読んでみたくなり、ネットで注文しました。
写真は、グッズ売り場で購入した「ブラック・ジャック名台詞集トイレットペーパー」(限定)、200円也(笑)。
「医者はなんのためにあるんだ」、「それでも私は人をなおすんだっ 自分が生きるために!!」等、B・Jのしびれる台詞の数々と名シーンが印刷されています。
見た途端、思わず笑いがこみあげ、こらえるのに必死でした(^▽^;)
買おうかどうしようか迷っていると、これを見た何人かの方が私と同じような表情になり、皆さん2個ずつ掴んでレジへ直行。 そうか! 1個は使用して、もう1個は記念にとっておくのかな?
誰もが童心に返った顔をしていたので、私も自分の気持ちに素直になろうと購入。
トイレの滞在時間が長くなりそうです(笑)。
でも、大好きなB・J先生の御真影が印刷されているから、「踏み絵」のような気分になりそうで使えないかも(^^ゞ
この展覧会は、5月10日まで開催。
映画「ブッダ」公開記念ということで、「ブッダ」の試し読み本がもらえます。
ドガ展 ― 2010年11月27日 23時18分
横浜美術館へ「ドガ展」を観に行く。
日帰りの強行軍だったけど、素晴らしい1日を過ごせて大満足(*^^)v
やはり何といっても、日本初公開の「エトワール」に感動!!
作品保護の為に照明を暗くしていたけれど、画面の内側から光が放たれているようで、神々しさすら感じられた。
画面左下からスポットライトを浴びて、頬を紅潮させ、恍惚として踊るエトワール。
観ているこちらまで、うっとりしてしまった。
題名の通り、星(エトワール)のような輝きを持つこの絵の前から、立ち去りたくなかったです。
「障害競馬―落馬した騎手」は、まさにその瞬間を描いたもので、ドガの並はずれた動体視力と確かな速筆に脱帽。
騎手を乗せていた馬は、後年描きなおされた跡があるけれど、躍動感にあふれていて唸りました。
彫刻「14歳の小さな踊り子」は、思っていたより小さな彫刻(高さ98センチ)。
つんと鼻を高く上げ、目を細めて静かな息遣いが伝わってきそうな作品。
本物の髪の毛が埋められているとテレビで観ましたが(NHK『巨匠たちの肖像』)、肉眼では確認出来ませんでした。彫刻の頭部が見上げる位置にあり、照明の逆光でわからなかったのです。
発表当時、良くも悪くも大きな反響があったというけれど、ドガの確かなデッサン力があってこその素晴らしい作品だと思いました。
ドガの死後、150体もの小さな彫刻が見つかり、そのうちの何点かが展示されていた。
視力が衰え始めたドガが、触覚を頼りにここまで生き生きとした人物や馬の彫刻を作れたのかと、感じ入ってしまった。
「放たれた馬」は、全身で喜びを表現する馬の気持ちが、ひしひしと伝わってくる。
画家のほとばしる情熱が感じられて、心から感動した展覧会でした!
本当に観に行って良かったです!!ヽ(*´∀`)ノ
この展覧会は、12月末まで開催。
日帰りの強行軍だったけど、素晴らしい1日を過ごせて大満足(*^^)v
やはり何といっても、日本初公開の「エトワール」に感動!!
作品保護の為に照明を暗くしていたけれど、画面の内側から光が放たれているようで、神々しさすら感じられた。
画面左下からスポットライトを浴びて、頬を紅潮させ、恍惚として踊るエトワール。
観ているこちらまで、うっとりしてしまった。
題名の通り、星(エトワール)のような輝きを持つこの絵の前から、立ち去りたくなかったです。
「障害競馬―落馬した騎手」は、まさにその瞬間を描いたもので、ドガの並はずれた動体視力と確かな速筆に脱帽。
騎手を乗せていた馬は、後年描きなおされた跡があるけれど、躍動感にあふれていて唸りました。
彫刻「14歳の小さな踊り子」は、思っていたより小さな彫刻(高さ98センチ)。
つんと鼻を高く上げ、目を細めて静かな息遣いが伝わってきそうな作品。
本物の髪の毛が埋められているとテレビで観ましたが(NHK『巨匠たちの肖像』)、肉眼では確認出来ませんでした。彫刻の頭部が見上げる位置にあり、照明の逆光でわからなかったのです。
発表当時、良くも悪くも大きな反響があったというけれど、ドガの確かなデッサン力があってこその素晴らしい作品だと思いました。
ドガの死後、150体もの小さな彫刻が見つかり、そのうちの何点かが展示されていた。
視力が衰え始めたドガが、触覚を頼りにここまで生き生きとした人物や馬の彫刻を作れたのかと、感じ入ってしまった。
「放たれた馬」は、全身で喜びを表現する馬の気持ちが、ひしひしと伝わってくる。
画家のほとばしる情熱が感じられて、心から感動した展覧会でした!
本当に観に行って良かったです!!ヽ(*´∀`)ノ
この展覧会は、12月末まで開催。
モネの睡蓮 ― 2010年05月29日 19時19分

大原美術館の睡蓮が、もう咲いていた。
モネの庭から株分けされたもの。
小さくて可憐な姿に、うっとり。
モネは、この睡蓮を眺めていたんだな。
ジヴェルニーのモネの庭でも、もう咲き始めているかなと思いを馳せました(*´∀`)
モネの庭から株分けされたもの。
小さくて可憐な姿に、うっとり。
モネは、この睡蓮を眺めていたんだな。
ジヴェルニーのモネの庭でも、もう咲き始めているかなと思いを馳せました(*´∀`)
大原美術館 児島虎次郎記念館 ― 2010年05月29日 19時11分

大原美術館の児島虎次郎記念館を訪ねる。
ご存知の方も多いと思いますが、虎次郎さんは大原美術館の礎となる名画を収集した方です(出資は大原孫三郎さん)。
大原美術館は見所がたくさんありすぎて、いつも時間切れで記念館を訪れたことがなかったのです。
今日は、真っ先に立ち寄る。
以前、広島で虎次郎さんの大規模な展覧会を観たことがあり、こんな素晴らしい画家が明治・大正の日本にいたのかと驚きました。
あまり世間に画業が知られていないのは、その殆どの絵画を大原美術館が収蔵しているからだとか。
いろんな美術館に展示されていれば、知名度が高まるんでしょうね。
さて記念館の作品ですが、デッサン力の確かさと、構成力、色彩の美しさに唸りました。
中でも目を引いたのは、「芝の上」。
2人の和服の少女が芝の上に座り、1冊の本を読んでいる。
下駄を脱いで裸足になり、明るい日差しを浴びて気持ちよさそう。
髪に大きなリボンを結んだ“ハイカラさん”の、楽しそうな笑い声が聞こえてくるよう。
「何の本を読んでいるの?」と話しかけたくなるような作品です。
「習作~春の光」は、本館に展示されているセガンティーニの「アルプスの真昼」を彷彿させるような作品。
画面からあふれるような光が、そう思わせるのかも。
まぶしいほどの陽光の中、草を食む山羊たち。
紅白の梅が咲き誇り、山羊たちも心なしか早春の香りを楽しんでいるよう。
2枚の「朝顔」は、妻を描いたもの。
アーチ状の朝顔の棚の中で、水やりをする友(とも)夫人。
朝顔と夫人の笑顔が瑞々しくて、虎次郎さんの愛情が伝わってくる。
ここには展示されていないけれど、もう一枚の「朝顔」の絵を観たことがある。
下駄を履いた足で、伸びあがって水やりをする女性。
こぼれる笑みが、なんとも美しい。あれも夫人を描いたものだったのかも?
虎次郎さんの絵画も素晴らしいですが、大原美術館の名画を観て思うのは、その審美眼の凄さ。
収集した絵画のジャンルが偏っておらず、なお且つそのどれもが、今お金を積んでも買えないような名品ばかり。
日本の西洋絵画を学ぶ人たちに、本物の絵画を見せてあげたいという熱い思いによって、今こうして私たちが目にすることが出来るのは、本当に有難いことです。
虎次郎さんの功績に、心から敬意を表します。
ご存知の方も多いと思いますが、虎次郎さんは大原美術館の礎となる名画を収集した方です(出資は大原孫三郎さん)。
大原美術館は見所がたくさんありすぎて、いつも時間切れで記念館を訪れたことがなかったのです。
今日は、真っ先に立ち寄る。
以前、広島で虎次郎さんの大規模な展覧会を観たことがあり、こんな素晴らしい画家が明治・大正の日本にいたのかと驚きました。
あまり世間に画業が知られていないのは、その殆どの絵画を大原美術館が収蔵しているからだとか。
いろんな美術館に展示されていれば、知名度が高まるんでしょうね。
さて記念館の作品ですが、デッサン力の確かさと、構成力、色彩の美しさに唸りました。
中でも目を引いたのは、「芝の上」。
2人の和服の少女が芝の上に座り、1冊の本を読んでいる。
下駄を脱いで裸足になり、明るい日差しを浴びて気持ちよさそう。
髪に大きなリボンを結んだ“ハイカラさん”の、楽しそうな笑い声が聞こえてくるよう。
「何の本を読んでいるの?」と話しかけたくなるような作品です。
「習作~春の光」は、本館に展示されているセガンティーニの「アルプスの真昼」を彷彿させるような作品。
画面からあふれるような光が、そう思わせるのかも。
まぶしいほどの陽光の中、草を食む山羊たち。
紅白の梅が咲き誇り、山羊たちも心なしか早春の香りを楽しんでいるよう。
2枚の「朝顔」は、妻を描いたもの。
アーチ状の朝顔の棚の中で、水やりをする友(とも)夫人。
朝顔と夫人の笑顔が瑞々しくて、虎次郎さんの愛情が伝わってくる。
ここには展示されていないけれど、もう一枚の「朝顔」の絵を観たことがある。
下駄を履いた足で、伸びあがって水やりをする女性。
こぼれる笑みが、なんとも美しい。あれも夫人を描いたものだったのかも?
虎次郎さんの絵画も素晴らしいですが、大原美術館の名画を観て思うのは、その審美眼の凄さ。
収集した絵画のジャンルが偏っておらず、なお且つそのどれもが、今お金を積んでも買えないような名品ばかり。
日本の西洋絵画を学ぶ人たちに、本物の絵画を見せてあげたいという熱い思いによって、今こうして私たちが目にすることが出来るのは、本当に有難いことです。
虎次郎さんの功績に、心から敬意を表します。
国宝 阿修羅展 <回想録> ― 2009年12月30日 15時04分

8月14日、九州国立博物館(福岡)へ「国宝 阿修羅展」を観に行く。
連日長蛇の列とは聞いていたけど、猛暑の中1時間待ちとは…(*_*;
しかし外にはテントが張られ、霧のシャワーで熱中症対策が取られていたのは、有難かったです。
やっと展覧会入口まで辿り着いた時、私たちを出迎えてくれたのは、1枚の大きなポスター(写真)。
「やっと 阿修羅に会える」
そのキャッチコピーに、誰もが「ほんまや」と口々にぼやいていました(^_^;)
念願の阿修羅とご対面。
ライトの下で見る阿修羅は写真で見るよりも、鮮やかで燃えるような朱色をしている。
6本の腕の付け根や、3つの顔の境目は、滑らかでとても美しい。
髪も流れるように3つの頭部につながっており、全く違和感がなく自然。
この均整がとれた造形美を生み出した職人が、1300年前にいたなんて凄い。現代でも作るのは難しいのではなかろうか。
(余談ですが阿修羅の正面の顔が、連続テレビ小説『つばさ』のヒロイン、多部未華子ちゃんに似ていると思うのは、私だけ?)
八部衆の中では、迦楼羅(かるら)立像に感動!
鶏のようなとさか、くちばし。睨みつけるような大きな目。
まるで生きているかのようで、「フーフー」と呼吸が聞こえてきそう。
阿修羅にしてもそうですが、目の前にモデルがいないのに、どうして想像でこんな美しい像が作れるのか。
職人は、迦楼羅を実際に見たことがあるのではないかと思ったほど。
感嘆することしきりでした。
阿修羅だけでなく、他の仏像も360度見ることが出来て、高度な技術を持っていた古の職人たちに尊敬の念を抱きました。
大満足の展覧会でした。
連日長蛇の列とは聞いていたけど、猛暑の中1時間待ちとは…(*_*;
しかし外にはテントが張られ、霧のシャワーで熱中症対策が取られていたのは、有難かったです。
やっと展覧会入口まで辿り着いた時、私たちを出迎えてくれたのは、1枚の大きなポスター(写真)。
「やっと 阿修羅に会える」
そのキャッチコピーに、誰もが「ほんまや」と口々にぼやいていました(^_^;)
念願の阿修羅とご対面。
ライトの下で見る阿修羅は写真で見るよりも、鮮やかで燃えるような朱色をしている。
6本の腕の付け根や、3つの顔の境目は、滑らかでとても美しい。
髪も流れるように3つの頭部につながっており、全く違和感がなく自然。
この均整がとれた造形美を生み出した職人が、1300年前にいたなんて凄い。現代でも作るのは難しいのではなかろうか。
(余談ですが阿修羅の正面の顔が、連続テレビ小説『つばさ』のヒロイン、多部未華子ちゃんに似ていると思うのは、私だけ?)
八部衆の中では、迦楼羅(かるら)立像に感動!
鶏のようなとさか、くちばし。睨みつけるような大きな目。
まるで生きているかのようで、「フーフー」と呼吸が聞こえてきそう。
阿修羅にしてもそうですが、目の前にモデルがいないのに、どうして想像でこんな美しい像が作れるのか。
職人は、迦楼羅を実際に見たことがあるのではないかと思ったほど。
感嘆することしきりでした。
阿修羅だけでなく、他の仏像も360度見ることが出来て、高度な技術を持っていた古の職人たちに尊敬の念を抱きました。
大満足の展覧会でした。
ルーブル美術館展 <回想録> ― 2009年12月30日 14時18分

今年を振り返って、心に残った美術展を書き留めておこうと思います。
7月19日、京都市美術館へ「ルーブル美術館展」を観に行く。
一番印象に残ったのは、ジョルジョ・ド・ラ・トゥールの「大工ヨセフ」。
幼子イエスが、右手に持ったろうそくの火に左手をかざしている場面。
火の光が透けて、左手が赤くなっている様に、思わずため息。血が通った、体温の温もりが伝わってくるよう。
暗い背景の中に浮かび上がる親子の表情から、静かな会話が聞こえてくるようです。
胸の奥がしんとするような静謐な絵で、いつまでも見ていたかったです。
フェルメールの「レースを編む女」は、24×21㎝の小さな絵。
しかし、画面全体から淡い光が放たれているようで、存在感は十分。
女性の手元にピントを合わせ、その周りはややぼんやりと描き、現代のカメラのような手法。
見る人の視線をどこに誘導させるか意識した描き方、そして柔らかい光と空気感が素晴らしかったです。
フランス・ハルスの「リュートを持つ道化師」は、教科書でおなじみ。
道化師の表情が、とても生き生きと描かれている。
また、衣装のフリルがリズミカルなタッチで描かれており、見入ってしまいました。
リュートの軽快な音色が聞こえてくるよう。
どれも素晴らしい作品ばかりで、とても充実した時間を過ごせました。
7月19日、京都市美術館へ「ルーブル美術館展」を観に行く。
一番印象に残ったのは、ジョルジョ・ド・ラ・トゥールの「大工ヨセフ」。
幼子イエスが、右手に持ったろうそくの火に左手をかざしている場面。
火の光が透けて、左手が赤くなっている様に、思わずため息。血が通った、体温の温もりが伝わってくるよう。
暗い背景の中に浮かび上がる親子の表情から、静かな会話が聞こえてくるようです。
胸の奥がしんとするような静謐な絵で、いつまでも見ていたかったです。
フェルメールの「レースを編む女」は、24×21㎝の小さな絵。
しかし、画面全体から淡い光が放たれているようで、存在感は十分。
女性の手元にピントを合わせ、その周りはややぼんやりと描き、現代のカメラのような手法。
見る人の視線をどこに誘導させるか意識した描き方、そして柔らかい光と空気感が素晴らしかったです。
フランス・ハルスの「リュートを持つ道化師」は、教科書でおなじみ。
道化師の表情が、とても生き生きと描かれている。
また、衣装のフリルがリズミカルなタッチで描かれており、見入ってしまいました。
リュートの軽快な音色が聞こえてくるよう。
どれも素晴らしい作品ばかりで、とても充実した時間を過ごせました。
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