向田さんの面影を訪ねて 居住跡地2011年12月23日 23時27分


向田邦子居住跡地の碑

照国神社から歩いて78分程の所にある、向田邦子居住跡地の碑(鹿児島市平之町16)。

居住跡地の矢印の看板から、坂を上がった正面にこの碑がある。


向田さんが住んでいた家は、石垣の上にあった。

案内板には当時の写真があり、10部屋もあったとエッセイに書かれているだけあり、かなり大きな家だ。

現在その敷地には、どなたかのお宅が建っている。石垣の部分は、ガレージになっていた。

向田さんが鹿児島を離れて40年後に訪れた時、「石垣は昔のままであったが、家はあとかたもなく、代わりに敷地いっぱいに木造モルタル二階建てのアパートが建っていた」。―「鹿児島感傷旅行」(『眠る盃』)

向田さん居住地今昔

この碑の右後ろ(ガレージの右側面)に、当時の石垣がわずかに残っていた。

そっと触れてみる。

向田さんが見上げていた石垣。そう思うと、温もりが伝わってくるようだった。

向田邦子居住跡地の石垣、桜島

向田さんの家からは、桜島がすぐ目の前に見えたとか。

彼女は「鹿児島感傷旅行」をした際、「この山は、私の住んでいたあのうちの、あの庭から眺めたかった」と、鹿児島空港から向かう途中、桜島をあまり見ないようにしていた(『眠る盃』)。

だから、私もここから見るのを楽しみにしていたのに、振り返ってみるとビルやマンションがそびえ立ち、何も見えなかった。

現在お住まいの方のお庭からは、桜島が見えるのだろうか。

碑の右側の方へ細い路地があり、行き止まりまで歩いて行くと、やっと桜島の頭が見えた。

なんだか宝物を探し当てたような気持ちになり、嬉しくなる。

この旅の途中、ビルの隙間や交差点から桜島が見える度に、同じ気持ちになった。

これが自宅から朝な夕な見られたら、どんなに素晴らしいだろう。

この雄大な姿が、向田さんの感性を少なからず育んだかもしれない。

 

「変わらないのは、ただひとつ、桜島だけであった。

形も、色も、大きさも、右肩から吐く煙まで昔のままである。
(中略)

私は、桜島を母に見せたいと思った。」―「鹿児島感傷旅行」(『眠る盃』)

 

名残惜しい思いで、居住跡地を振り返り振り返り立ち去った。

坂の下まで下りた時、もう一度振り返ってみると、坂は結構な傾斜がある。

赤いランドセルを背負った「邦子ちゃん」が、小学校へ通学している情景が目に浮かぶようであった。

 

余談ですが、照国神社から向田邦子居住跡地まですぐそこ…のはずが、方向音痴を遺憾なく発揮し、迷ってしまった(・▽・;)

途中、かわいいケーキ屋さんと道を歩いていた青年に道を尋ねる。

青年は、「すぐそこですよ。一緒に行きましょう」と快く案内して下さった。

青年の話を聞いていると、どうも地図の見方がおかしいことに気付く。 照国神社の鳥居から左へ行くように見ていたが、正しくは上へ行くように見なければいけなかった…。

現地の皆さん、御親切にどうもありがとうございましたm(_ _)m

向田邦子さんの面影を訪ねて 照国神社2011年12月23日 23時22分

照国神社
薩摩藩第28代藩主・島津斉彬公がご祭神の照国神社。
向田さんがこの地を離れて40年後に「鹿児島感傷旅行」をした際、「大運動会が出来るほど広かった境内が、いやに狭くなっている」(『眠る盃』)と感じたとか。
敷地に立ってみて、昔この駐車場まで境内だったのなら、確かに大運動会も余裕で出来たはずだと納得。
昭和15年、小学校4年生だった向田さんが、「この境内で行われた紀元二千六百年の祝典で、お遊戯をしている」(『眠る盃』)そうだが、どんなお遊戯だったのだろうか。

向田邦子さんの面影を訪ねて 序文2011年12月23日 23時15分

脚本家・向田邦子の顔展
向田邦子さんの面影を訪ねて、鹿児島へ2泊3日の旅に出た。
向田さんが、小学校高学年の昭和14年1月から昭和16年3月まで過ごし、「故郷もどき」と呼んだ地。
多感な時期の少女が、何を見て何を思い、そしてどんな食べ物に夢中になっていたのか。
その足跡を辿ることで、脚本家・小説家 向田邦子の原点を体感し、面影を垣間見たいと、私なりの「鹿児島感傷旅行」をした。

まずは、西郷隆盛像の隣にある鹿児島まち歩きステーションで、まち巡りバスの時刻表や地図「向田邦子“故郷もどき”とザビエル記念聖堂コース」などをもらい、スタート!

※下記の参考文献をもとに旅行
向田邦子「鹿児島感傷旅行」(『眠る盃』 1982.6.15 講談社文庫)
向田邦子「薩摩揚」「細長い海」(『父の詫び状』 1981.12.25 文春文庫)

屋島2011年08月18日 23時26分

屋島
八栗寺の山門から西へ100メートル程歩くと、昨年できたばかりという展望台があった。
遠くまで一望出来て、とっても気持ちが良い!!
右手の台形の山は、屋島。
タクシーの運転手さんの話によると、その麓は檀ノ浦だったとか。
あれ?壇ノ浦って山口県では??と思い、後で調べたら、屋島の方はキヘンの「檀」でした。
今は埋め立てられて住宅地になっているけれど、ここで源平の合戦があったのかと思いを馳せる。

帰りのタクシーでJR古高松南駅に向かう途中、「ここが佐藤継信の墓」と運転手さんに教えてもらい、驚く!
おお~佐藤兄弟の兄!! 義経の盾になって亡くなったという!?と、大興奮しつつ、大きくて立派なお墓に向かって思わず合掌する。
「向こうには、義経が乗っとった黒馬の墓もあるよ。ちょっと先には、弁慶が薙刀で掘った井戸の跡があるし。その上には、まかない板(岩?)っていう、料理を作った所もあるよ。」と教えて下さった。
下調べを全くしていなかったので、思いがけず義経主従の足跡を教えて頂き、得した気分♪
私事で恐縮ですが(そもそも日記自体が私事か)、大学で「黄表紙における武蔵坊弁慶像」という卒論を書いたので、弁慶に対する思い入れはひとしお。

今度来るときは、歴史をたどる旅も良いなぁ。
八栗タクシーさん、ありがとうございました(*^^)

八栗寺2011年08月18日 23時22分

八栗寺
四国第八十五番札所の八栗寺(やくりじ)へ参拝する。
五剣山の切り立った五つの峰を背景に建つ本堂。
弘法大師が幼少の頃、この山に登って仏像を造っておられたとか。
不思議な山の形を眺めていると、自然に対する畏れと神聖な空気を感じる。

観音経の写経を納め、般若心経などを読誦する。
とても心が洗われたような、清々しい気持ちになりました。

初の本場讃岐うどん2011年08月18日 22時19分

初の讃岐うどん
私はうどんが大好き! ならば、一度は聖地を訪れなければ!
という訳で、香川県へ行ってきました。四国初上陸です。

暑いからセルフではなく、屋内で、しかも美味しい讃岐うどんを食べたい!とネットで調べ、たどり着いたのが、高松市牟礼町にある「うどん本陣 山田屋本店」さん。
門をくぐると美しい日本庭園が目の前に開け、まるで高級料亭のよう。
数十人のお客さんが椅子に腰かけて順番待ちをしていましたが、回転が速く10分も待たずに店内に通されました。

私が頂いたのは、ざるぶっかけ(550円)。
冷たいうどんに冷たい出汁をかけて頂く(写真は、天かすと薬味をのせた所)。
麺はツヤツヤと輝き、もちもちとした食感。
硬いわけではなく、噛む歯を心地よく押し戻すような弾力。
ああ、これが「コシ」というものなのか~と、初めて食べる本場讃岐うどんの美味しさに、恍惚としました。
スダチを絞って、夏にぴったりの爽やかな味わい。
出汁も美味しくて、全て飲み干してしまいました。
ごちそうさまでした。また食べに行きたいです(*^^)v

うどん本陣 山田屋本店……高松市牟礼町牟礼3186

京都の素敵なカフェ2010年08月21日 22時50分

京都の素敵なカフェ


京都で素敵なカフェに出会いました。
オーガニック洋裁カフェ「柴洋(しばよう)」さん。
清水道のバス停を降りて、松原通りの六道珍皇寺から数件西に歩いた所にあります。

洋裁とカフェという不思議な組み合わせに、洋裁好きの私は心惹かれて中へ。
シュシュやネックレス、針山やガマ口財布など、手作りの可愛い小物がディスプレイされている。

いちごはちみつ


私が頂いたのは、「いちごはちみつ」のかき氷(夏期限定)。
トッピングにアイスか練乳を選べて、温かいお茶付き。私はアイスをチョイス。
これが、めっっっちゃ美味しかった!!ヽ(*´∀`)
いちごのシロップではなく、ペースト状のいちごがモリモリのっているのです!
ここで、「オーガニック」だったと思い出す。
いちごの甘酸っぱさと、はちみつの優しさが絶妙なハーモニー♪
今まで食べたかき氷の中で、最高に美味しい!
そして冷え冷えになった口に、温かいお茶が嬉しい。
かき氷で、作った方の愛情を感じられたのは初めて。
旅の疲れがとけてなくなりました。

メニューを見ると、コーヒーや紅茶、ハーブティーも当然オーガニック。
今日のスイーツが「ラムレーズンとごぼうのショコラ」で、どんなお味か気になりました。
玄米ごはんセットも食べてみたい。

小さいけれど、オーナーのこだわりが詰まった、可愛い可愛いお店。
私がもしお店を出すなら、こんなお店が良い!と思いました(その予定はないですが)。
また京都に行く機会があれば、店内の小物をゆっくり見て、ほかのメニューも味わいたいです。



尾道の潮風2010年05月21日 22時54分

尾道
「そうだ、尾道へ行こう!」
急に思い立ち、先日作った帽子を被って、午後3時前に家を出る。
午後3時45分に尾道に到着。

写真は、千光寺の本堂から眺めた風景。
ああ、この海が見たかったのよ。
のたりのたりと流れる時間が、ここにはある。
潮風に吹かれながら、ご本尊に手を合わせる。
引いたおみくじは、大吉。なんだか嬉しい(*^^)v

尾道は坂の町。
石段をゆっくり降りながら、暮色に染まっていく海を眺める。
ちょっと心がしおれていたけれど、元気になりました。
また来よう。